由緒、沿革、歴史

妙徳山神積寺は内供奉慶芳上人が開山した。比叡山第18代座主慈恵大師に指示を仰ぎ、諸国巡錫の砌、正暦2年（991）3月8日に田原の郷、辻川有井堂にて、文殊菩薩のお告げとその守護を得、一条天皇（987～1011）の勅により当山を開き、薬師如来が本尊として祀られている。

上人の弟子三条天皇の第7皇子覚照阿闍梨の時代には、三条天皇より、土佐讃岐の貢殻を賜り、七堂伽藍と五十二院を数える隆盛を見た。

また、近衛天皇（1142～1155）の宣示により播磨六山の一つとかぞえられた。

阿弥陀の種子板碑は、鎌倉中期、後堀河天皇（1222～1231）の中宮安喜門院が長く当山に住された因縁により、門院の百箇日供養にあたり建立されたものである。

当山は延慶2年（1309）に火災に遭い焼失し、現在の建物は天正15年（1588）有馬法師の寄進により再建された。明治3年までご朱印地にして毎年、文殊会式には勅使の下向があった。本尊薬師如来は、藤原時代の代表的尊容が認められ、明治34年8月4日付にて国の重要文化財に指定された。

開基

内供奉慶芳上人 人皇66代一条天皇の御守、父は大納言藤原範郷、母は一条天皇の御乳母

神積寺の本尊

木造薬師如来坐像（国指定重要文化財）

脇佛

文殊菩薩、毘沙門天、日光菩薩、月光菩薩、十二神将が祀られている。